ヨノワール独白
元から結果は見えていたかもしれない。
こうなることは決まっていたのかもしれない。
だけど、信じたくなかったのだ。自分が消えるなんて。自分という存在がなかったことになるなんて。
確かに、今ここにいるのに。この世界に存在しているのに。この心臓はまだ動いているのに。この心はまだ生きたいと叫んでいるのに。
それでも、全ては叶わない。
未来は変えられてしまうのだ。それも、自分が弟のように育てた子供たちに……。
「皮肉なものだ」
傷つけ傷ついて戦った結果がこれなのだから、世界とはなんと冷たいのだろう。
こんな結果になるのなら……。
「過去の世界でも楽しんでいれば良かった」
この後悔すらも、全て……。
どうか。どうか。
世界よ、慈悲を。優しい消滅を……。
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