探検隊(闇世界)
アーク→フィン
アーク→フィン
「どうしてアンタって子は……!」
母の甲高い声。
「もっと出来の良い子であればよかったのに」
父の呆れた声。
誰かが溜息をついて。誰かが苦笑を零して。誰かが同情の視線を。
全ては鋭利な刃の如く心を貫くけれど、当に血は残っていなくて。だというのに痛みは今も昔も変わらない。だから目を閉じて痛みに耐える。
(大丈夫。痛くない)
そんなことを考えて、そして……。
「アークさん!」
「……、フィン」
目を開けると、見知った女の子がいた。
いつも、如何なる時でも自分を信じて付いてきてくれた少女。
こんな俺を好きだと言ってくれた。俺の、大切な光。
「行くぞ」
「はい!」
ごめんな、俺はお前を置いていく。
これが最後の探検だ、お前は優しいから俺が消えると哀しむだろう。だから俺のことはすぐに忘れてくれ。そのほうが俺も楽だから。
口にも出せない言葉を心の中で繰り返す
これからも生きていけるなら、この思いを伝えたいのに。
伝えられない言葉と思いを、胸に締まって。
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アーク→フィン
でもこれ、フィン視点から書くとアーク←フィンなんですよね
両思いなのに伝えられずくっ付かない二人
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